「ご契約者本位」という想いのもと、相互会社として創業された富国生命保険相互会社(以下、フコク生命)。
フコク生命は、従来利用されていたシステムのサービス停止をきっかけにDataDeliveryを導入し、その後、活用範囲を広げられています。
フコク生命について
1923年に創業したフコク生命は、個人・企業向けの保険商品の販売を中心に行っている保険会社です。
“お客さま基点”を企業活動の原点として、「もし自分がお客様だったら」を常に想像しながら、全てのお客さまに満足いただけることを目標に保険商品を提供しています。
フコク生命ではお客さまに真摯に向き合うことを重視し、お客さまアドバイザーによる対面販売を行っています。
個人保険と個人年金保険を併せた保有契約高は25兆4,338億円(2017年度末)、拠点数は支社62カ所、営業所464カ所(2019年4月1日現在)、従業員数は12,689名(2019年3月末現在)となっています。
https://www.fukoku-life.co.jp/
DataDelivery導入前の課題、導入時の工夫などについて、お話を伺いました。
導入背景 DataDeliveryの活用状況
– 現在、DataDeliveryはどのようにお使いになっていますか。
保険契約に関するデータやPDF文書の管理に活用しています。
生命保険契約に関するデータは大量にあります。契約情報は、生命保険という特性上、永久または半永久的に保管しておく必要があり、すでに満了(終了)した契約(消滅マスタ)が何千万件という単位で存在します。
また、レートファイル(※1)は、保険商品ごとに存在し、膨大な数におよびます。
これらのデータはそれぞれのシステムで作成されますが、DataDeliveryでまとめて管理し、活用しています。
※1 各種計算の基になるファイル
製品選定の要件 ~長期間使える安心できる製品を希望~
– DataDeliveryの導入の経緯を教えてください。
最初は、COMフィルム(以下、COM)への変換サービスが停止されることにより今後新規に発生するデータの管理および消滅マスタのデータ管理の代替システムを導入すべく、検討を開始しました。
以前からお付き合いのあった明治安田システム・テクノロジー(MY TECNO)社からパートナー会社であるCDSテクノロジーで扱っている、DataDeliveryを紹介していただきました。
– どのような条件で製品選定されたのでしょうか。
以下の条件で比較検討しました。
1.長期間の仕様に耐えうる安心できる製品であること
生命保険は、商品の特性上、契約期間が長く、永久または半永久的にデータを保存・利用します。
予期しないエラーや障害、セキュリティ上のリスクなどに柔軟に対応できることが絶対の条件でした。また、長期に渡って利用するわけですから、安心して利用できるようサポートがしっかりしているベンダーの製品であることや、サポート費用が急に値上がりする恐れがないことも比較材料としました。
2.サポート体制および保守性が高いこと
DataDeliveryは汎用的なデータベースではなく、独自データベースを使用しています。
そのため、何か問題が発生した場合、迅速なサポートを受けることが可能であること、また、システム構成がシンプルで保守性が高いこと、これらが大きなポイントでした。
3.検索が速いことおよび使い勝手がいいこと
消滅マスタの検索はAccessファイルで行っており、データファイルだけで10ファイルありました。当然、検索スピードも遅く、自由度の高い検索も行うことができませんでした。Accessでのデータ管理からの脱却、ユーザー部門にとっての使い勝手の良い製品を求めていました。
これらの条件で比較検討した結果、最も条件を満たしていたDataDeliveryを導入することにしました。
活用できることが分かり、段階的に利用範囲やユーザー数を拡大
– ライセンスを追加された理由について教えてください。
当初、DataDeliveryの導入目的はCOM変換サービス停止を理由としたやむを得ない背景がありました。同時に複数人が利用する想定ではなく、同時接続ライセンス数5台で導入しました。
その後、レートファイルを搭載したことで、活用範囲が拡大しました。新商品発売や配当入替の対応時は多数のユーザーが利用するため、同時接続ライセンス数を50台に拡大しました。また、導入当初のデータ容量は100GB程度でしたが、現在は数百GBとなっています。
導入効果 ~100以上あるファイルも一括で検索可能に~
– DataDeliveryの導入効果について教えてください。
以下のような効果が出ています。
1.データ検索の手間が大幅に減った
レートデータはAccessで管理していましたが、多数のファイルに分割せざるを得ませんでした。レート検索をする場合、まずAccessファイルの指定をします。次に検索キーの入力を行いますが、キーが完全一致しないと検索ができず、慣れていない人にはハードルの高い作業となっていました。
DataDeliveryは、検索キーのすべてが分からなくても検索が可能なので、慣れていない人でも簡単に検索を行うことができます。また、検索対象が年度毎に分割されている場合でも複数ファイルをすべて選択して検索を行うことが可能なので、非常に使い勝手が良いシステムです。
2.システムの集約ができた
消滅マスタの検索、レート検索は、別システムで稼働していました。そのため、システム毎に操作方法を理解する必要があり、ユーザー部門にとっては使い勝手が悪い状況でしたが、移行することで、DataDeliveryの操作方法だけを理解すればよいので、格段に使い勝手が向上しました。さらに、旧COMのデータもObjectArchiverに移管することができ、自席で確認できるようになりました。
3.保管スペースを削減できた
COMを確認するリーダーをオフィス内に設置しており、大量のCOMがスペースを占拠していました。現在は、自席で検索を行えるので、スペースを有効活用することができています。
– 提案から導入までを担当したCDSテクノロジーの対応はいかがでしたか。
CDSテクノロジーには、システム構築をお願いしました。担当範囲を越えて元データの内容チェックも行い、データの不備の指摘やアドバイスをしてくれました。おかげで、スムーズにデータ移行を進めることができています。
今後の取り組みとDataDeliveryに対する期待
~働き方改革を進める上で活用範囲を広げたい~
– 今後の取り組みについて教えてください。
DataDeliveryに集約して効率化できるものはまだまだあるので、今後も順次進めていく予定です。
– 最後に、ご要望がございましたら、お聞かせください。
DataDeliveryはどちらかというとシステム担当者寄りのシステムだと思います。ユーザー部門が更に使いやすいように、操作画面をユーザーフレンドリーなものに進化してもらえればと考えています。また、CDSテクノロジーには現在もデータ移行の作業をしてもらっていますが、これまで通りプロジェクト全体を見据えた視点で、対応をしてもらえると助かります。今後ともよろしくお願いいたします。
– お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、おおよその数で記述しています。